2022年 08月 03日
シネマ・アミーゴ 「名付けようのない踊り」 |


舞踏家としてだけではなく、ドラマや映画で俳優としても活躍されていますが、いつも画面越しに存在感の強さに引き付けられています。映画の中で描かれていましたが、しなやかで体幹が強そうなその肉体は畑仕事を通じて得られたものとのこと。田中泯さんが場所の力を感じで踊る「場踊り」は、トレーニングでつけた筋肉ではなく、日々の農作業を通じて得られた肉体で踊ることこのほうが、理にかなう自然なことなのかもしれません。映画のなかで語れられていますが、田中泯さんの世界デビューは、1978年に日本建築界の重鎮、磯崎新さんのプロデュースによってパリで開催された<「間」日本の時間と空間展 >。この「間」展で、田中泯さんの舞踏が上演され評判を呼び、世界各地に招かれて舞踏する機会を得たとのことでした。
長野県立美術館のYoutubeに霧の中での「場踊り」がアップされていますので、興味をもたれた方はぜひ。霧の中に佇ずむ田中泯さんの姿は、異空間から出てきた人のよう。この世の人ではない(笑)ように見えます。
(調べてみると、2018年には水戸芸術館のおこなわれた中谷芙二子「霧の抵抗」展でも、広場に面するカスケード(水の噴水)で、「場踊り」を上演されています。ちなみにこの水戸芸術館の設計者は磯崎新氏。1978年のパリからちょうど40年の時を経て、お二人が再び出会います。)
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by n-architect
| 2022-08-03 15:11
| アート